2024年度プログラム開催報告・受講者の声
本年4月6日(土)から開催した「次世代経営者人財養成スクール」は、
8月3日(土)時点で第8回が終了し、折り返しを迎えました。ここで、各回の概要をご紹介します。
(講師敬称略)
第1回(4月6日)
講師
株式会社KKRジャパン 会長
斎藤 惇
演題
リーダーの心得
講義概要
- 人口減少、老齢化の現状と課題
- それに対処するために欠かせない客観性の高い経営
- 未来への投資の欠如、劣後が続く人財投資などの問題点
- 企業価値を向上させる方策
受講生の声
- 昨今の株価上昇は、コーポレートガバナンス改革の効果が見られるが、そのための問題意識と解決に向けた針路が理解できた。
- いまだ日本企業の多くは改革の途上であり、危機意識を持って課題解決に取り組んでいく必要性を実感した。
第1回(4月6日)
講師
ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社 取締役会長
岩田 宜子
演題
サステナブルな経営に向けて
—資本市場に関する認知、知見は必要か
講義概要
- 資本市場の期待と経営
- IR、中長期運用投資家とのエンゲージメント
- 人的資本、多様性とサステナビリティ
- 投資家の声は経営のトレーニング
受講生の声
- このスクールの趣旨とそれを目指す熱意を感じられる内容であった。
- 経営トップを目指す者として、「投資家との会話がトレーニング」という発想は新鮮で、IR活動および資本市場に親しみを抱けるようになった。
第1回(4月6日)
講師
ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社 副会長
高山 与志子
演題
コーポレートガバナンスに関する考え方
講義概要
- コーポレートガバナンス・コード以前の日本企業の考え方
- コーポレートガバナンスとガバナンス
- 海外企業の状況
- 取締役会に関する最近の注目テーマ
受講生の声
- コーポレートガバナンスと日常で使っている「ガバナンス」の意味の違いを改めて理解することができた。
- コーポレートガバナンスは欧米の考えを単に取り入れただけだと思っていたが、日本の企業経営にも同様に重要であり、また真剣に取り組んでいくことでメリットを享受できることに気づいた。
- コーポレートガバナンスの視点を持って講義に臨む重要性を感じた。
第2回(4月20日)
講師
早稲田ビジネススクール 教授
西山 茂
演題
財務リテラシー
―ビジネスリーダーにとって必要な会計・財務
講義概要
- 経営者として知っていなければならない、キャッシュフロー、資本コスト、ROEなどの重要財務指標についてのおさらい
- 実例で学ぶ:経営者・投資家の目線からの財務諸表(B/S、P/L、キャッシュフロー計算書)の読み方、考え方
- 投資プロジェクトの評価・判断指標と演習
受講生の声
- 投資意思決定の演習(ネコのおもちゃの事例)では、自身の知識と理解の不足を認識させられた。
- 財務リテラシー全般とROIC経営について理解を深めることができた。また、演習も大変有益な機会であった。
第3回(5月11日)
講師
経営共創基盤 IGIPグループ会長/日本取締役協会 会長
冨山 和彦
演題
労働供給制約の時代の経営とガバナンス改革
講義概要
- 日本の労働市場政策は大転換期に突入
- 守りの労働政策から攻めの労働政策へ
- ジョブ型シフトは重要な政策課題
受講生の声
- 経営として目を向けるべき新しい現実やこれからの経営者に求められることについて、理解が不足していたことに気付かされた。
- 実例に基づく話はリアリティがあり、大変興味深くお聞きするとともに、変化の必要性を痛感した。
第4回(5月25日)
講師
慶應義塾大学大学院 商学研究科 教授
鶴 光太郎
演題
人的資本経営を考える
講義概要
- リモートワークに代表される働き方改革、ジョブ型雇用、ウェルビーイングなど、人材に関連した重要テーマ
- 人材戦略と経営戦略をいかに連動させていくか
- 人材獲得大競争時代における経営者の意識変革
受講生の声
- 日本企業における人材戦略や人的資本経営にまつわる歴史とその背景を整理していただき、この分野の造詣が深めることができた。
- なぜジョブ型雇用が喫緊の課題なのか、その重要性がようやく腑に落ちた。
第5回(6月8日)
講師
株式会社日立製作所 執行役専務 Chief Administrative Officer
兼 Deputy CRMO 兼 コーポレートコミュニケーション責任者
中畑 英信
演題
日立製作所の人的資本経営の取組みについて
-経営戦略と人財戦略の連動 -
講義概要
- 日立製作所における「人的資本経営の取組み」の考え方
- 日立製作所における「人的資本経営の取組み」
- 経営戦略の明確化 (2009年の経営危機からの経営改革)
- 経営戦略に連動した人財戦略の明確化・実行
受講生の声
- 経営戦略と人財戦略の連動が社内変革の浸透において重要な点であったことがしっかりと伝わってきた。
- 日立の人事政策の背景、哲学や具体的な取組事例を多くご紹介 いただき、取組が成果に結びつくにはそれ相応の時間が必要なこと、粘り強く取組する必要があることがよく理解できた。
- 短期にリターンを求めず、辛抱強く様々な取り組みを継続された結果、現在の成長につながっていることがよく理解できた。
第6回(7月6日)
講師
元 株式会社MS&ADホールディングス 取締役会長 会長執行役員
柄澤 康喜
演題
経営者として大切にしていることとリーダーに求められる資質
講義概要
- リスクの考え方と向き合い方
- 自身の経験と実践知を通じて語る、柄澤流リーダーシップとマネジメント
受講生の声
- 二律背反に関するマネジメント能力がとりわけ印象に残った。
- ご自身の実務経営を紹介されながら、リスクやリーダーシップ、正解のない問題への向き合い方などをご教示いただいた。
第7回(7月20日)
講師
AGC株式会社 代表取締役兼副社長 執行役員CFO、CCO
宮地 伸二
演題
AGCをケーススタディとして経営の要諦
—事業構造改革、ガバナンス、企業風土、人財育成を考える
講義概要
- 「事業構造改革」:収益構造の変化、戦略枠の設定について
- 「ガバナンス」:経営の方向性、グループ縦軸・横軸について
- CEOとCFO、IR活動
受講生の声
- グループコーポレート部門の役割や事業部オーバーサイトの仕組みは大変参考になった。
- 率直に話してくださり、感銘を受けた。技術系ご出身でCFOということで、内容に説得力があった。
第8回(8月3日)
講師
ソニーグループ株式会社 取締役代表執行役員会長CEO
吉田 憲一郎
演題
Purposeと経営戦略
講義概要
- 資本市場を経営にどう活かすか
- 不確実性の中、何を経営の軸にするか
- 社会的存在意識と外部環境の視点で
- 企業文化、人的資本、サスティナビリティなどの起点
受講生の声
- 日本を代表するグローバル企業のCEOが何を考え経営しているのか、直接感じることができ、知的刺激を得た。
- 仔細に話してくださり、質問への回答もご自身の言葉で語られ、説得力にあふれていた。